肥満が招くさまざまな病気~肥満のリスク~ medical column
- TOP
- 肥満が招くさまざまな病気~肥満のリスク~
肥満が招くさまざまな病気~肥満のリスク~
肥満は健康に良くないというのはなんとなく理解していても、具体的にどのようなリスクがあるのか、ご存じでない方は多いのではないでしょうか?また、あまり多く食事を摂っている意識はなくても、気づけばお腹にお肉が乗っていた…という方もいらっしゃるかと思いますが、健康面に目を向けて早めに対策をとることが、健康寿命をのばすことにもつながります。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、肥満のリスクをテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
肥満とは?
筋肉質で体重が重い人もいますので、単純に体重が重い=肥満ではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態が肥満と言えます。
そもそも体脂肪とは?
体脂肪は体の脂肪のことであり、皮下組織につく「皮下脂肪」と臓器のまわりつく「内臓脂肪」を含めた総称です。
体脂肪率から見た肥満について
体脂肪率は、体重に占める体脂肪の割合のことであり、例として体重が100Kgの人の体脂肪率30%は、シンプルに30Kgが脂肪であるということです。
<標準>
男性の場合10%以上~20%未満、女性の場合20%以上~30%未満
<軽肥満>
男性の場合20%以上~25%未満、女性の場合30%以上~35%未満
<肥満>
男性の場合25%以上、女性の場合35%以上
体脂肪率は、体重に加えて骨格筋率や内臓脂肪レベルなどの項目を複数測れる体組成計にて測定が可能ですが、体内の水分量によって体脂肪率にばらつきが出ます。
BMIから見た肥満について
BMI(Body Mass Index)は、体格指数とも呼ばれ、身長と体重の関係を示す指数です。BMIは、個人の体重が身長に対して適切かどうかを判断するための簡易的な方法として用いられます。
日本肥満学会による肥満分類は下記のとおりです。
< 18.5 低体重
18.5 ≤ BMI < 25.0 普通体重
25.0 ≤ BMI < 30.0 肥満(1度)
30.0 ≤ BMI < 35.0 肥満(2度)
35.0 ≤ BMI < 40.0 肥満(3度)
40.0 ≤ BMI 肥満(4度)
BMIが25以上は肥満であり、その程度によって肥満1度~4度に分類されます。BMI22が標準とされ、これは肥満との関わりがある、糖尿病や高血圧、脂質異常症に最もかかりにくい数値とされています。
ただし、BMIは身長と体重から算出するシンプルなものですので、BMIの数値が肥満1度に該当する場合であっても、体脂肪率が少なく筋肉量が多い場合もあります。ですので、あくまでBMIは目安として傾向を把握すると良いでしょう。
肥満のリスク
肥満のリスクとしては、前項でお伝えしたように糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が挙げられます。そして、内臓脂肪の蓄積に加えて血圧・血糖・脂質のいずれか2つ以上の数値が基準値を超えていた場合メタボリックシンドロームと診断されます。
肥満と糖尿病の関係
肥満が長期間続くとインスリンの効果が低下し、高血糖が起こりやすくなるため、糖尿病の発症リスクが増加します。インスリンが効果的に働かなくなる状態のことを、インスリン抵抗性と呼び、肥満はそれが生じやすくなるのです。
肥満と高血圧の関係
高血圧は血圧が慢性的に高くなる状態を指します。肥満の人は脂質が多く血液はドロドロであり、脂肪で圧迫された狭い血管を通るためには、血液を押し出す心臓に負担がかかります。
また、脂肪細胞から血圧を上げる物質が分泌されます。そのほか、肥満の人は高い塩分を摂取する傾向にもあります。肥満の人が必ず高血圧になるというわけではありませんが、これらの理由から肥満は高血圧につながりやすいのです。
肥満と脂質異常症の関係
脂質異常症は、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたしている状態であり、肥満と大きな関係があります。肥満の方はそもそも食事の調整をせずに好きなものを食べる方が多く、中性脂肪を増やす脂質や糖質が多い食品を口にする機会も多い傾向にあります。
まとめ:肥満が招くさまざまな病気~肥満のリスク~
いかがでしたか?今回の内容としては、
・肥満は体重が重いだけでなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指す
・肥満かどうかは体脂肪率やBMIを参考にすることができる
・肥満は高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病を招く
以上の点が重要なポイントでした。生活習慣病は運動習慣や適切な食事によって予防することができ、肥満にならないことが予防における大切な要素の一つです。既に肥満が気になる方は、ジムに通うなどして対策しましょう。