肺高血圧症とは？症状や原因について 船橋市の内科、つばさ在宅クリニック西船橋

肺高血圧症とは？

肺高血圧症は通常の高血圧症とは異なり、肺に血圧を送る血管である肺動脈の血管内腔が何らかの原因で狭くなることにより、血液が通りにくくなって肺動脈の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。

肺高血圧症になると心臓から肺への血液循環が低下して、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ってしまいます。そして、取り込まれる酸素の量が減ることで、息切れや呼吸困難といった症状につながります。

肺高血圧症の症状

肺高血圧症の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・息切れ
・疲れやすい
・胸痛
・失神
・動悸
・咳が止まらない
・血が混じった痰　など
初期は症状がほとんどなく、次第に症状があらわれ始め、症状を自覚する頃には症状が進行している場合が多いとされています。肺の中の血管が破れてしまうと、血が混じった痰がでる場合があり、症状が重症になると失神を起こす場合があります。

肺高血圧症の原因と分類

肺高血圧症は原因によって大きく5つの分類に分けられます。

第1群：肺動脈性肺高血圧症（第1’群：肺静脈閉塞性疾患や肺毛細血管腫症・第1’’群：新生児遅延性肺高血圧症）

肺動脈性肺高血圧症は、肺静脈そのもの異常が起こるタイプのものであり、詰まるメカニズムは完全にわかっていないものの、肺動脈の血管収縮・肺血管内で血の塊が形成される血栓症・肺動脈の血管内壁の肥厚の3つの原因よって起こるとされています。

第2群：左心性心疾患に伴う肺高血圧症

左心の働きが悪くなることが原因で起こるタイプのものが、左心性心疾患に伴う肺高血圧症です。

左心は肺静脈から血液を受けとり、全身に血液を送り出すはたらきをしているのですが、この左心のはたらきが悪くなると、肺動脈の血圧が高くなるため肺高血圧症を発症します。

第3群：肺疾患や低酸素血症による肺高血圧症

主にタバコが原因となり、別名タバコ病とも呼ばれる慢性閉塞性肺疾患（COPD）や、間質性肺疾患などが原因となって、肺での酸素の取り込みが悪くなり、血液中の酸素が少なくなるタイプのものが、肺疾患や低酸素血症による肺高血圧症です。肺での酸素の取り込みが不足すると、肺の血管が収縮して肺動脈圧が高くなり、肺高血圧症となります。

第4群：慢性血栓塞栓性肺高血圧症

慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、器質化した血栓が肺静脈を慢性的に狭窄・閉塞する病気です。具体的には下肢でできた血栓が肺静脈に達して血管を塞いで血流が悪くなるタイプで、難病指定されています。

第5群：原因不明の複合的要因による肺高血圧症

全身性疾患・代謝性疾患・血液疾患などに伴うものが肺高血圧症であり、いくつかの要因が複合しているような場合、原因不明ではっきりわかっていない場合に分類されます。

まとめ：肺高血圧症とは？症状や原因について

いかがでしたか？今回の内容としては、
・肺高血圧症は肺動脈の血管内腔が狭くなることにより、肺動脈の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気である
・肺高血圧症の症状としては、息切れ・疲れやすい・胸痛などが挙げられる
・肺高血圧症の原因によって大きく5つの分類にわけられる
以上の点が重要なポイントでした。肺高血圧症の症状として息苦しさがありますが、息苦しい…という症状は、さまざまな呼吸器疾患の症状やサインとなりますので、「年齢だから仕方のないこと…」などと思わず、まずは受診するという姿勢が大切かと思います。