大人になってから発症する食物アレルギー（成人食物アレルギー） 船橋市の内科、つばさ在宅クリニック西船橋

食物アレルギー発症の年齢について

日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会によると、食物アレルギーの発症割合は0歳が最も多く（3割程）、年齢を重ねるにつれてそれが減っていき、6歳以下までの発症が約8割を占めています。ただし、近年では大人になってから初めて発症する人も増えています。

小児食物アレルギーと成人食物アレルギーの違い

小児食物アレルギーの特徴として、鶏卵と牛乳がその原因となることが多い一方で、成人食物アレルギーの場合は、果物や野菜の食物アレルギーが多いとされています。

大人になってから発症する成人食物アレルギーの原因食物

成人食物アレルギーを引き起こす食物は多岐にわたりますが、特に以下の食物が報告されています。

エビやカニなどの甲殻類は、成人食物アレルギーの原因として一般的であり、エビやカニに対して強いアレルギー反応を示します。また、ピーナッツやアーモンド、クルミなどのナッツ類も成人食物アレルギーの原因食物であり、ナッツ類の食物アレルギーは増加傾向にあります。

サケやマグロなどの魚類や、牛乳やチーズなどの乳製品、また、リンゴやキウイなどの果物も挙げられます。前項で、成人食物アレルギーは果物や野菜の食物アレルギーが多いとお伝えしましたが、それはなぜなのでしょうか？

なぜ成人食物アレルギーの原因で野菜・果物が多いのか？

なぜ成人食物アレルギーでの原因で野菜・果物が多いのか？については、花粉症の原因物質と似た構造をもつアレルゲンが、野菜・果物の中に存在するからであるとされています。これを、花粉-食物アレルギー症候群（PFAS）と呼び、花粉症の人のおよそ10人に1人の割合で発症するとされています。

大人になってから発症する成人食物アレルギーの症状

成人食物アレルギーの症状は多岐にわたり、軽度から重度まで様々です。

症状としては、皮膚のかゆみや発疹、顔や唇の腫れ、呼吸困難、腹痛、下痢、嘔吐、唇・口の中・喉のかゆみなどがあります。

小児食物アレルギーでは、全身や皮膚のかゆみ、じんましんといった症状が特徴的ですが、成人食物アレルギーでは、花粉-食物アレルギー症候群（PFAS）によって唇・口の中・喉のかゆみや腫れといった症状があらわれやすいという特徴があります。

成人食物アレルギーとストレス・食生活

成人食物アレルギーは、生活環境や食生活の変化、ストレス、免疫系の変化などが影響することもあり、過労や睡眠不足、食事の偏りなどがあると、健康的な状態の時と比べてアレルギー症状は出やすくなります。

成人食物アレルギーの治療と対策

成人食物アレルギーの治療の基本は、アレルゲンとなる食物を避けることです。アレルギー反応を引き起こす食物を摂取しないようにするため、食物ラベルの確認や外食時の注意が必要です。また、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服が補助的な治療として用いられます。

そして、アレルギー専門医との定期的な相談や検査を受けることで、最新の治療法や管理方法を取り入れることができます。アレルギー反応が変化する可能性もあるため、定期的なチェックが推奨されます。

まとめ：大人になってから発症する食物アレルギー（成人食物アレルギー）

いかがでしたか？今回の内容としては、
・成人食物アレルギーは果物や野菜の食物アレルギーが原因となることが多い
・花粉症の原因物質と似た構造をもつアレルゲンが、野菜・果物の中に存在する
・皮膚のかゆみや発疹、唇・口の中・喉のかゆみといったものが食物アレルギーの症状である
・成人食物アレルギーの治療の基本は、アレルゲンとなる食物を完全に避けること
以上の点が重要なポイントでした。食物アレルギーは大人になってから発症することもありますが、発症の原因や治療法を理解し、適切な対策を講じることで、アレルギー反応のリスクを最小限に抑えることができます。