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ポリファーマシーとは?簡単にわかりやすく解説!
薬は本来病気を治したり緩和させるためのものですが、多剤処方されることによって害になってしまうこともあります。医師から処方されているから全ての薬が安全だ…と思わず、治療を受ける側も医療・治療にしっかり関心を持つことが、自身の健康を守るためには大切です。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より「ポリファーマシー」をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
ポリファーマシーとは?
ポリファーマシーとは、治療に必要な薬以上に多くの薬が処方され、害のある多剤服用のことを指します。本来症状を改善、緩和させるための薬が、不必要な多剤処方によって害をもたらすこともあるのです。具体的に何種類の薬が処方されて、どのような害が出たらポリファーマシーと呼ぶ、といった定義はありません。
高齢になるほど多剤服用になりがちである
高齢になるほど、複数の病気を持ち合わせてしまうことが多くなりますので、その分服用する薬も若い人と比べれば多くなります。それぞれの病気に対して必要な薬があり、それによって薬が増えることは自然なことではありますが、問題は不要・不適正な処方、重複投与などです。重複投与とは、同じ時期に複数の医療機関で診察を受けている場合に、同じ薬効を持つ薬がそれぞれの医療機関で処方されることを指します。
副作用を抑えるための薬によってポリファーマシーが起こる原因に
どのような薬であっても副作用は存在しますが、治療に必要な薬を服用するにあたって、副作用が重たくあらわれる場合もあります。その副作用を抑えるために新しい薬が処方されたり、副作用の症状が新たな症状と誤認されることによって、ほかの薬が処方される…といった形でポリファーマシーが形成されることもあります。この、薬の有害反応が新たな症状と誤認されて処方が重ねられることを処方カスケードと呼びます。
ポリファーマシーの問題点について
ポリファーマシーは、害ある多剤服用であるため、それ自体が問題であるわけですが、どうしても薬が増えることによって、飲み合わせによる有害事象が出てくる恐れがあります。また、多くの薬に頼ってしまうと、減薬が必要となった場合の離脱症状等に苦労する場合もあります。
ポリファーマシーを防ぐには?
続いて、ポリファーマシーを防ぐ方法について見ていきましょう。
それぞれの医療機関で服用中の薬を伝える
複数の病気で別々の医療機関を利用している場合、それぞれの医療機関で必ず服用中の薬を伝えましょう。また、飲み合わせの問題もありますので、お薬手帳は必ず持参するようにしましょう。そして、このお薬手帳は薬局ごとに分けたりせず、1冊に集約してください。
症状が落ち着けば伝えること
継続的に服用する薬がある場合、症状が落ち着いたことをしっかり医師に伝えなければ、処方を中止しづらいことがあります。外傷などは見た目で判断できますが、精神的なものや便秘など、その本人にしかわからないものは特に症状の変化を伝えることが大切です。
これまで、薬を飲み続けることが当たりまえだと思っていたところから、薬の副作用に悩まされて減薬を望む場合、症状が落ち着いていれば少しずつ薬を減らせる場合もあるでしょう。
かかりつけ医・かかりつけ薬局を持つこと
かかりつけ医とは、いつでも相談できて親身に相談に乗ってくれる医療機関・医師のことを指し、かかりつけ薬局はかかりつけ医のように気兼ねなく相談ができる、行きつけの薬局のことを指します。医療従事者とのコミュニケーションによって、ポリファーマシーは防ぐことができますので、かかりつけ医・かかりつけ薬局を持つことが対策になります。
セカンドオピニオンも検討
セカンドオピニオンとは、診断や治療の選択などについて診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に意見を求めることをいいます。
まとめ:ポリファーマシーとは?簡単にわかりやすく解説!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・ポリファーマシーは、害のある多剤服用のことを指す
・複数の病気を抱えがちな高齢者は多剤服用になりがちである
・薬の有害反応が新たな症状と誤認されて処方が重ねられることを処方カスケードと呼ぶ
・服用中の薬や、症状が落ち着いたことなどを伝えることなどが、ポリファーマシーを防ぐために必要
以上の点が重要なポイントでした。