甲状腺疾患とは?症状・原因・治療について medical column
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甲状腺疾患とは?症状・原因・治療について
甲状腺疾患がどのような病気であるかご存じですか?甲状腺疾患が原因で心不全を起こしたり、骨粗しょう症を起こしたりすることもあるため、知識を得ることは健康維持にもつながります。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より「甲状腺疾患」をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
甲状腺疾患とは?
甲状腺疾患は、文字通り甲状腺の異常や障害によって起こる症状の総称であり、大きく甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症があります。そして、甲状腺疾患は女性に多くみられるものの、男性にも起こり得る病気です。
そもそも甲状腺とは?
そもそも甲状腺とは、のど仏の下のあたりにある臓器で蝶が羽を広げたような形をしており、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、体全体の新陳代謝を促進する働きを持っており、生きていく上でなくてはならない存在です。
甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺機能亢進症は、甲状腺が活発に活動して、甲状腺ホルモンの合成・分泌が過剰になる病気です。甲状腺機能亢進症を起こす代表的なものがバセドウ病です。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが低下して、甲状腺ホルモンの合成・分泌が低下する病気です。甲状腺機能低下症の代表が橋本病です。
甲状腺疾患の症状
甲状腺機能亢進症の代表であるバセドウ病の症状としては、息切れ・疲れやすい・動悸・体重減少・眼が出る・脈が速くなるといったものが挙げられます。
甲状腺機能低下症の代表である橋本病の症状としては、倦怠感・皮膚の乾燥・体重の増加・むくみ・やる気が出ない・眠気などが挙げられます。
甲状腺疾患は他の病気と間違えられることも
甲状腺疾患は倦怠感ややる気が出ない、動悸や息切れといった症状が挙げられるため、自律神経失調症や更年期障害と間違えられる場合もあり注意が必要です。
甲状腺疾患の原因
甲状腺疾患は、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったり、低下したりするものですが、バセドウ病と橋本病のはっきりとした原因はいまだに解明されていません。ただし、自己免疫疾患として、本来自分の身体を守るべき免疫が自身を攻撃してしまうことで起こると知られています。
甲状腺疾患の治療
バセドウ病の治療としては、甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制する薬を服用したり、手術によって甲状腺を除去する手術がおこなわれます。橋本病の治療では、甲状腺ホルモンを補充する薬を服用します。ただし、橋本病の患者が全員甲状腺機能低下症になるわけではなく、甲状腺機能が正常の橋本病では、原則治療は必要ありません。(薬を服用しなくても定期的に受診して経過を見る必要がある)
甲状腺疾患と運動
甲状腺機能亢進状態が持続している時期には激しい運動を避け、甲状腺機能が正常に戻れば軽い運動から徐々に体を慣らしましょう。適切な治療によって甲状腺ホルモンの分泌量がコントロールできれば、運動や仕事など健康な人と同じようにおこなうことが可能です。
まとめ:甲状腺疾患とは?症状・原因・治療について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・甲状腺疾患は、文字通り甲状腺の異常や障害によって起こる症状の総称である
・甲状腺疾患には、大きく甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンの合成・分泌が過剰)と甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの合成・分泌が低下)がある
・甲状腺疾患はさまざまな症状があるため、自律神経失調症など別の病気と間違えられることがある
・治療としては、甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制したり補充する薬を用いる
以上の点が重要なポイントでした。病気というのは、ほかの病気のきっかけとなることも多く、合併症にも気を付けなければなりません。甲状腺疾患は心不全の原因にもなり得ますので、疑いがあればまずは医師の診察を受けると良いでしょう。