糖尿病患者の人工透析とは?透析治療が必要になるのはなぜか? medical column
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糖尿病患者の人工透析とは?透析治療が必要になるのはなぜか?
糖尿病と診断されれば、人工透析についても知識としてしっかり押さえておく必要があります。なぜなら、人工透析と糖尿病はとても深い関係があるからです。では、糖尿病と人工透析にはどのような関係があるのでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より糖尿病患者さんの人工透析をテーマにお届けしていきます。
糖尿病とは?
糖尿病は、ブドウ糖を分解して血糖値を下げるインスリンの働きが低下することで、血糖値が慢性的に高くなってしまう病気です。ブドウ糖は人間にとって必要不可欠なものである一方、それが多すぎても体の血管を障害し、さまざまな合併症を引き起こしてしまいます。
人工透析とは?
人工透析は、弱ってうまく働かなくなった腎臓に代わり、体内に蓄積された余分な水分や塩分を取り除いて血液を浄化する方法です。そもそも腎臓は、血圧を調整したり塩分・水分・老廃物を排出したりする役割を持っています。そのため、腎臓の持つ機能を人工透析が代わり、浄化した血液を体内に戻すというわけです。
人工透析で腎臓は治る?
人工透析は腎臓を治すものではないため、長期に渡ったこまめな通院が必要になります。人工透析は辛いという声が聞かれますが、それは人工透析時の針を刺す時の痛みだけでなく、定期的に通院が必要であり、1回の治療時間が長い点が挙げられます。また、人工透析を中止してしまうと、体に大きな影響を与え命にも関わることであるため、自己判断で治療を受けないということはできません。
人工透析を怠ることによってあらわれる症状としては、水分・塩分の排出ができなくなってくることで、呼吸困難や吐き気、意識障害といった症状があらわれます。
人工透析が必要になるのはどのような人?病気?
人工透析が必要になるのは、腎臓機能が弱った人であり、病気としては糖尿病性腎症・腎硬化症・慢性糸球体腎炎が挙げられます。そして、透析患者さんが気を付けなければならないことは、人工透析を自己判断で中止してはならないということだけでなく、心不全や弁膜症といった心臓病にも注意が必要です。
なぜ心臓病に気を付ける必要があるかというと、腎臓が働かない状態であると、血液の量が増加することで心臓に余分な負担がかかるためです。
糖尿病性腎症と人工透析
糖尿病が進行すると、糖尿病性腎症という合併症を引き起こす場合があります。そして、糖尿病性腎症が進行して深刻化すると人工透析が必要になってきます。人工透析が必要になる人の多くが糖尿病性腎症であるため、糖尿病と診断されれば血糖値コントロールをしっかりおこない、合併症の予防に努めることが大切です。
糖尿病性腎症でもすぐに人工透析はおこなわれない
前項で糖尿病性腎症が進行して深刻化すると人工透析が必要になってくるとお伝えした通り、糖尿病性腎症になったからといって、すぐに人工透析が必要になるわけではありません。糖尿病性腎症の治療は血糖・血圧・脂質などをコントロールする薬物療法。医師や管理栄養士の指導のもとでおこなわれる食事療法。そして、日常生活も見直しをおこない、規則正しい生活を送ります。
糖尿病腎症は初期に自覚症状はありませんので、定期的な血液検査や尿検査などの検査を受け、自身の体調に目を向けることが大切です。
まとめ:糖尿病患者の人工透析とは?透析治療が必要になるのはなぜか?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・人工透析は腎臓に代わり、体内に蓄積された余分な水分や塩分を取り除いて血液を浄化する方法である
・人工透析は腎臓を治すものではない
・糖尿病が進行すると糖尿病性腎症を招き、それが進行することで人工透析が必要になる
・糖尿病性腎症になったからといって、すぐに人工透析が必要になるわけではない
以上の点が重要なポイントでした。人工透析はこまめな通院と長い治療時間が必要になってくるため、辛いこともあります。しかし、人工透析を受けられている方は、治療には絶対に必要であることを理解しましょう。また、現在糖尿病と診断されている方は、予防のために血糖値のコントロールはしっかりおこないましょう。