食物アレルギーの検査にはどのようなものがある? medical column
- TOP
- 食物アレルギーの検査にはどのようなものがある?
食物アレルギーの検査にはどのようなものがある?
アレルギー検査にはさまざまな種類があり、医療機関によって実施する検査の種類は異なります。そして、実施する検査によって結果のあらわれ方や、検査できる範囲も異なっています。つまりは、アレルギーの特定やその可能性を探る上では適切なものを選ぶ必要があるということです。
そこで今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より食物アレルギーの検査の種類をテーマにお届けしていきます。
食物アレルギーの検査の種類
早速、食物アレルギーの検査の種類について見ていきましょう。
皮膚プリックテスト
アレルゲン液を腕に垂らし、そこに皮膚検査用の針を押し付けることでできる膨疹(ぼうしん)の有無、大きさで判断する検査です。
経口負荷試験
経口負荷試験は、実際に食べ物を口にして症状があらわれるかどうかを調べる検査であり、信頼できる食物アレルギー診断となっています。
特異的IgE抗体検査
食物アレルギーでおこなう血液検査の一つに、特異的IgE抗体検査というものがあります。アレルゲンが体内に入ると体が異物としてみなし、排除しようとする免疫機能が働き、特異的IgE抗体が産生されるようになるわけですが、その特異的IgE抗体の値を調べる検査が、特異的IgE抗体検査となっています。
検査の数値が高い場合でも症状がない場合もありますので、必ずしもその検査結果のみでアレルギーと診断されるわけではありません。
アレルギー検査の種類(特異的IgE抗体検査)
アレルギー検査として、特異的IgE抗体検査を先述しましたが、保険診療では1回に13種類まで測定できます。しかし、原因アレルゲンが分からない場合には幅広く調べることができる下記のようなアレルギー検査があります。
MAST36
メジャーなアレルゲン36項目について検査できるのが、MAST36と呼ばれる検査です。
<36項目の内訳>
・食物アレルゲン:ミルク、小麦、卵白、オボムコイド、ピーナッツ、エビ、カニ、マグロ、サケ、豚肉、牛肉、鶏肉、モモ、キウイ、バナナ、トマト、ゴマ、ソバ、大豆、米
・花粉アレルゲン:スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、ヨモギ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ混合物(ブタクサ+オオブタクサ)
・その他アレルゲン:ハウスダスト、カンジダ、ラテックス、コナヒョウダニ、アスベルギルス、イヌ皮膚、ネコ皮膚、アルテルナリア
MAST48MIX
MAST48MIXは、上記のMAST36に、サバ、木の実(アーモンドやクルミなど)、そして、イネ科、ブタクサ、ダニ、カビの詳しい項目が追加されたものになります。
View39
View39は、アレルギーの原因として代表的な39項目を一度で調べることができる、アレルギー検査になります。MAST36と項目がほとんど同様ですが、検査の試薬が異なります。
<39項目の内訳>
・室内のチリ:(ヤケヒョウダニ、ハウスダスト)
・動物:(イヌ・ネコ)
・昆虫:(ゴキブリ・ガ)
・草:(カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ・オオアワガエリ)
・樹木:(ヒノキ・スギ・シラカンバ・ハンノキ)
・カビ:(カンジダ・マラセチア・ラテックス・アスペルギルス・アルテルナリア)
・卵(卵白、オボムコイド)
・牛乳:ミルク
・小麦
・豆・穀物類(ピーナッツ・大豆・そば・ごま、米)
・果物(キウイ・リンゴ・バナナ)
・甲殻類(カニ・エビ)
・魚・肉類(サケ・サバ・マグロ・鶏肉・豚肉・牛肉)
まとめ:食物アレルギーの検査にはどのようなものがある?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・食物アレルギーの検査には、皮膚プリックテストや特異的IgE抗体検査というものがある
・特異的IgE抗体検査には、View39やMAST36と呼ばれる検査がある
・View39やMAST36は一度に複数の項目を調べることができるというメリットがある
・保険診療では1回に13種類まで選んで測定することができる
以上の点が重要なポイントでした。今回紹介した特異的IgE抗体検査は、食物アレルゲンだけでなく、複数の項目からアレルギーの可能性を調べることができます。特定の食べ物を口にして違和感がある方で、複数まとめて、検査したいという場合に検討されると良いでしょう。