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結核とは?症状・原因・潜伏期間について
結核といえば不治の病というイメージが昔はありましたが、現代では有効な治療薬が開発されたことにより、ほとんどの場合で治る病気になっています。しかし、今なお世界的な健康上の課題として存在しています。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より結核をテーマに、症状・原因・潜伏期間についてお届けしていきます。
結核とは?
結核は、結核菌による感染症です。1950年以前の日本人の死因のトップとなっており、恐ろしい伝染病として知られていました。国民病となっていた結核も、国をあげて予防や治療に取り組み、今では少なくなっているものの、今なお年間1万人以上の新しい患者が日本で発生しています。
結核は世界で今なお猛威を振るっている
世界に目を向けると現在でも毎年1000万人に近い人々が発病しており、そのうち約150万人が死亡していると推定されています。また、発展途上国を中心に未だ結核は蔓延しており、エイズ・マラリアと並んで世界の三大感染症の一つになっています。
結核の原因である結核菌について
結核の原因となる結核菌の長さは2~10ミクロン、幅は0.3~0.6ミクロンという大きさで、高温や紫外線に弱いという特徴があります。
結核の症状
結核の症状は、咳・痰・発熱・呼吸困難・全身倦怠感が挙げられ、時に自覚症状がなく健康診断で異常がみられ、発見されることもあります。結核の多くは肺(肺結核)であり、結核菌が肺の内部で増えて炎症が起こり、次第に肺が破壊されて呼吸の力が低下します。肺以外の臓器として、リンパ節・腎臓・骨・脳などの部分に至る場合もあります。
結核の感染経路
結核の感染経路としては、飛沫感染と空気感染が挙げられます。結核に発病している人の咳やくしゃみに含まれる結核菌が周囲に飛び散り、それが蒸発して空気中に漂って、体内に入ることで感染します。
職場で結核の人が出た…という場合などでは症状の有無にかかわらず、感染の有無を確認する検査を受けるようにしましょう。また、結核の患者さんと接触して不安な場合には、保健所でも相談を受け付けています。
結核の潜伏期間
結核の潜伏期間は他の感染症と比べて長く、感染後数か月から数年となっています。ただし、感染したからといって必ず発病するとは限らず、体の抵抗力により追い出される場合も多くあります。潜伏期間は数か月から数年とお伝えしましたが、感染してから1年以内の発病が約6割となっています。
結核にかかりやすい人とは?
結核にかかりやすい人としては、免疫力が低下している高齢者や基礎疾患をお持ちで免疫力が低下している状態の人などが挙げられます。
結核の入院期間はどれぐらいか?
結核の入院は通常約2ヵ月とされており、これは排菌が停止し、他の人に感染をひろげないことが確認されるまでの期間となっています。その後は外来で通院しながら治療を継続します。
まとめ:結核とは?症状・原因・潜伏期間について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・結核は結核菌による感染症であり、昔は日本人の死因のトップであった
・結核の症状としては、咳・痰・発熱・呼吸困難・全身倦怠感が挙げられる
・結核の感染経路は、飛沫感染と空気感染であり、潜伏期間は他の感染症と比較して長い
・免疫力が低下している高齢者や基礎疾患をお持ちで免疫力が低下している状態の人は、結核にかかりやすい
以上の点が重要なポイントでした。結核の症状は咳・痰・発熱など風邪と同じですが、それが長く続いたり良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。通常の風邪と違うなと思えば、医療機関で検査をしてもらいましょう。