結核の検査・治療・予防について medical column
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結核とは?
結核とは結核菌によって引き起こされる感染症であり、咳や痰、発熱といった症状がみられます。結核は肺結核が一般的ですが、肺以外にもリンパ節や骨、腎臓などに病変を作ることがあります。
結核の検査
結核の検査には、感染を調べるためのツベルクリン反応検査やインターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)があります。ツベルクリン反応検査では、ツベルクリンと呼ばれる液を注射し、結核菌に感染した人やBCG接種を受けた人の場合赤く反応します。インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)は、血液検査によって感染の有無を調べます。
また、X線撮影検査やCTスキャンによって発病が調べられ、喀痰検査にて結核菌を排菌しているかが調べられます。結核と診断された場合、排菌の有無によって入院が必要になります。
結核に感染してもすぐに発病するわけではない
結核に感染したとしても、健康であれば免疫機能によって菌の増殖を抑えることができます。しかし、体力が衰える高齢の方の場合は、免疫力の低下により発病することになります。そのため、65歳以上の方は、結核の定期健診が義務付けられています。
結核の治療
結核の治療としては、抗結核薬と呼ばれる結核菌を殺す薬が用いられます。薬をきちんと服用することで治りますが、医療機関への受診が遅れたり、診断が遅れたりすることで症状が進行し、重症化した場合には生命に関わってきます。結核を悪化させないためには、処方された通り薬を飲み続けることであり、薬の服用が不規則になったり、服用を途中で止めることで耐性菌ができる場合があるため注意が必要です。
結核の主な治療薬としては、リファンピシン・イソニアジド(ヒドラジド)・ストレプトマイシン・エタンブトール・ピラジナミドが挙げられます。
結核の予防
結核の予防として、ウシ型結核菌の毒性を弱くしたBCGワクチンがあり、結核の重症化を防ぐことが可能です。BCGは生後1歳に至るまでに接種がなされ、長期にわたって効果が持続します。
結核は他の感染症と同様に感染の危険はゼロではありませんので、早期発見・早期治療がポイントになってきます。早期発見により病気は治りやすく、周囲に感染を広げる恐れも少なくなります。
結核の初期症状は咳・痰・発熱などと風邪と同様ですが、その違いとすれば、症状が長期にわたって続いたり、症状を繰り返す点にありますので、違和感があれば医療機関になるべく早く受診しましょう。また、結核健診も定期的に受けることです。
まとめ:結核の検査・治療・予防について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・結核の治療としては、抗結核薬と呼ばれる結核菌を殺す薬が用いられる
・ウシ型結核菌の毒性を弱くしたBCGワクチンは、結核予防のためのもの
・結核の検査には、ツベルクリン反応検査、インターフェロンガンマ遊離試験、X線撮影検査、CTスキャン、喀痰検査などがある
・結核に感染してもすぐに発病するわけではないが、体力の弱っている高齢の方は発病のリスクが高い
以上の点が重要なポイントでした。結核は検査や治療が充実しており、不治の病とされていたものから、治る病気として認識されています。もし、長期に風邪症状が続く場合には、検査を受けるようにしましょう。