パーキンソン病の治療・診断・見分け方などを紹介! medical column
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パーキンソン病の治療・診断・見分け方などを紹介!
手足の細かな震えが特徴のパーキンソン病ですが、手足のふるえは他の病気であっても起こり得ます。では、パーキンソン病の診断はどのようにおこない、そしてどのような治療があるのでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)よりパーキンソン病の治療や診断をテーマにお届けしていきます。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、50歳以上で起こることが多い病気の一つであり、神経伝達物質のうち黒質という部位にあるドパミンが減少することによって発症します。パーキンソン病の4大症状は、何もしていない状態でも手足が震える振戦、筋肉がこわばってスムーズに動かすことが難しくなる筋固縮、動作の開始に時間がかかって、動作自体も遅くなる無動・寡動、バランスが取れなくなって転倒しやすくなる姿勢反射障害となっています。
ちなみに、パーキンソン症候群というものもあり、これはパーキンソン病とよく似た症状をきたす病気の総称です。
パーキンソン病の見分け方
パーキンソン病の特徴としては、前項でお伝えしたように手足のふるえや筋肉のこわばりで、スムーズに動かしにくくなるといったものが挙げられますが、それらの運動症状に似た症状はパーキンソン病以外でもあらわれることがあります。そのため、見分けるのは難しいのですが、何もしていない状態でも手足が震える振戦は、初期段階でもよくみられます。
パーキンソン病の診断
パーキンソン病を確実に診断できる検査法はないため見分けるのは難しいですが、パーキンソン病の特徴を手掛かりにして総合的に診断します。パーキンソン病の診断としては、動作が遅くなる(無動・寡動)ことが必須で、それに加えて筋固縮または振戦があると運動症状ありと判定します。そして、パーキンソン病特有の症状やパーキンソン病を否定できる症状を照らし合わせながら診断を進めていきます。
パーキンソン病の検査
パーキンソン病の検査には、以下のような検査があります。
・MRI脳画像検査
・MIBG心筋シンチグラフィ
・ドパミントランスポーターシンチグラフィ
・嗅覚検査
・脳血流スペクト検査
MRI脳画像検査では、脳梗塞や脳腫瘍といったパーキンソン病を否定できる異常を確認できます。MIBG心筋シンチグラフィは、心筋の交感神経の機能を検査するもので、パーキンソン病では、MIBGの取り込みが少なくなります。ドパミントランスポーターシンチグラフィは、パーキンソン病では、ドパミントランスポーターが減るため、その状態を検査できます。パーキンソン病は味覚障害が起こることもあるため、味覚検査が行われる場合もあります。脳血流スペクト検査は、脳の血流量をみる検査であり、パーキンソン病以外の病気、認知症で血流量が減ります。
パーキンソン病の治療
パーキンソン病治療の基本は薬物療法であり、パーキンソン病は伝達物質であるドパミンが減ることで起こるため、脳内で不足するドパミンを補うLドパ療法を中心に治療を進めます。併せて、運動訓練・リハビリテーションが行われますが、根本的に治す治療はありません。
まとめ:パーキンソン病の治療・診断・見分け方などを紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・パーキンソン病は神経伝達物質のうち、黒質という部位にあるドパミンが減少することによって発症する
・パーキンソン病を確実に診断できる検査法はないが、パーキンソン病の特徴を手掛かりにして総合的に診断する
・パーキンソン病の検査にはMRI脳画像検査、MIBG心筋シンチグラフィ、ドパミントランスポーターシンチグラフィなどがある
・パーキンソン病治療の基本は薬物療法であり、Lドパ療法を中心に治療を進める
以上の点が重要なポイントでした。