運動失調症とは?症状・原因・分類などを紹介! medical column
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運動失調症とは?
運動失調症は、バランスをとることが困難でありスムーズな動作が難しい状態のことを指します。小脳を中心とした神経障害によってあらわれる症状の総称で、病気ではありません。
運動失調症の症状
運動失調症の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・立っているときにふらついてしまいバランスがとれない
・バランスがとれないことで転倒してしまう
・まっすぐ歩くことが困難
・普段の動作が円滑にできない
・呂律がまわりにくい
・めまい など
運動失調と運動麻痺について
運動失調は、個々の筋肉には力が入るものの、バランスがとれないことによって転倒してしまうなど、運動に関わる筋肉の動きが制限されて、スムーズに動かせなくなる状態です。運動麻痺は、脊髄や大脳皮質などの障害によって、体の一部または全体を意のままに動かせなくなった状態(筋肉を動かせない)のことをいいます。
運動失調症の原因
運動失調症の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
・頭部外傷、感染症、脳卒中などによる脳の損傷
・慢性アルコール中毒、薬物中毒
・低血糖や甲状腺機能障害などの代謝性疾患
・悪性腫瘍
・ビタミンE欠乏などの栄養素欠乏
運動失調症の分類
続いて、運動失調症の分類について見ていきましょう。
<小脳性運動失調>
運動をコントロールする中心的な役割を持つ小脳が障害されることで起こる運動失調が、小脳性運動失調です。
<脊髄性運動失調>
脊髄の障害によって深部感覚が障害されて起こる運動失調を脊髄性運動失調と呼びます。
<大脳性運動失調>
前頭葉・頭頂葉・側頭葉の障害で起こる運動失調を大脳性運動失調と呼びます。
<前庭性(迷路性)運動失調>
平衡感覚をつかさどる器官である、前庭器官が障害されて起こる運動失調を前庭性(迷路性)運動失調と呼びます。前庭神経障害には、メニエール病や前庭神経炎などがあります。
運動失調症の診断
運動失調症の診断には、発病年齢・経過・家族歴などの基本情報とともに運動失調症の特徴を手掛かりに判断します。また、神経学的検査(脳・脊髄・神経機能を調べるためにおこなわれる検査)のほかに、必要に応じて症状の診断のために画像検査・血液検査・心臓機能検査・神経伝導検査・筋電図検査などがおこなわれます、
運動失調症の治療
運動失調が起こるもととなる病気の治療が基本となります。てんかんやパーキンソン症状、痙縮、不随意運動を伴う場合は薬物療法が選択され、アルコールや薬物の中毒によるものであれば、その治療をおこなうことで改善する可能性があります。
また、リハビリテーションは機能の維持、生活の質の向上に役立ちます。
まとめ:運動失調症とは?症状・原因・分類などを紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・運動失調症はバランスをとることが困難でありスムーズな動作が難しい状態で、小脳を中心とした神経障害によってあらわれる症状の総称である
・運動失調症の原因としては、頭部外傷、感染症、脳卒中などによる脳の損傷、慢性アルコール中毒、薬物中毒などが挙げられる
・運動失調症の症状としては、ふらついてしまいバランスがとれない、めまい、呂律がまわりにくいなどが挙げられる
・運動失調症の診断として、神経学的検査のほかに画像検査や血液検査などがおこなわれる
以上の点が重要なポイントでした。