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失語症の種類や認知症との違いを紹介!
言語機能の障害に失語症というものがありますが、それにはどのような種類があり、認知症とはどのような違いがあるのでしょうか?また、失語症には似ている障害として、構音障害や失声症というものがあります。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、失語症をテーマにその種類や失語症と認知症との違いなどをお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
失語症とは?
失語症とは、読む・書く・聞く・話すといった言語機能に障害が発生するものであり、うまく言葉が出なかったり、文字が思い出せないことで書くことができなかったり、相手の話す内容が理解できなかったりといった症状があらわれます。
失語症と認知症の違いとは?
失語症と認知症は混同されやすいのですが、それぞれ違いがあります。認知症は新しいことが覚えにくかったり、過去のことを忘れる、状況を把握しにくいといった認知機能の障害であり、失語症は言葉を使ったコミュニケーションが難しい言語機能の障害です。言葉を理解することが難しかったり、流暢に話すことが難しかったり、失語症と一口に言ってもいくつかの種類があります。
失語症の種類
続いて失語症の種類について見ていきましょう。
ブローカ失語(運動性失語)
運動性失語とも呼ばれるブローカ失語は、言葉を聞いて理解する力はあるものの言葉を発することが難しい失語です。話そうとするとなかなかことばが出にくく、すらすら喋れないのが特徴であり、特に言葉のはじめの音が出にくかったりします。
失名詞失語(健忘失語)
言葉の理解と話すことはできるものの、物や人の名前がさっと出てこないのが失名詞失語(健忘失語)です。
ウェルニッケ失語(感覚性失語)
感覚性失語とも呼ばれるウェルニッケ失語は、滑らかに話すことができるものの、相手の言葉を理解することが難しいのが特徴です。
伝導失語
相手の話を聞いて理解し、話すことも可能ですが、自分の話した言葉の誤りに気付いて、何度もそれを訂正し、言い直すため吃音のような話し方になってしまいます。
全失語
全失語とは、言葉を話すこと、単語や文章の復唱、文字を読むこと、相手の話を理解することの全ての言語機能に障害がある重度の失語症です。言語機能のそれぞれに障害があるため、コミュニケーションをとるのが難しいという特徴があります。
失語症と似ている失声症とは?
失語症と似ているものに失声症があります。失声症とは、心的外傷やストレスなどによって、脳や発声器官に異常がないものの、声が出なくなります。そして、声が出たとしてもしゃがれていたり、かすれたりしてしまう症状となっています。
失語症と似ている構音障害とは?
構音障害とは、言葉は理解していて伝えたい言葉がはっきりしているものの、言葉を正常に発音する能力が失われる障害であり、音を作る器官や動きに問題があります。構音障害があると話し方がぎこちなかったり、不明瞭であったり、ブツブツ途切れたりしてコミュニケーションに支障をきたします。
構音障害は病気や怪我によって器官の欠損や形の異常により起こる器質性構音障害、神経の病気によって起こる運動障害性構音障害、明らかな原因がないものの発音に症状があらわれる機能性構音障害があります。
まとめ:失語症の種類や認知症との違いを紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・失語症とは、読む・書く・聞く・話すといった言語機能に障害が発生するもの
・認知症は認知機能の障害であり、失語症は言語機能の障害である
・失語症の種類には、ブローカ失語(運動性失語)やウェルニッケ失語(感覚性失語)がある
以上の点が重要なポイントでした。認知症と失語症は混同されることがありますが、それぞれ違うものであり、アプローチも変わってきます。今回の内容が参考になれば幸いです。