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体重減少の原因や急な体重減少で考えられる病気について
更年期になると太りやすくなるため、体重が減ることは喜ばしいことのように思えますが、急激な体重減少は何らかの病気が隠れている場合もあります。では、体重減少はなぜ起こり、体重減少を引き起こす病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より体重減少をテーマにお届けしていきます。
体重はどのように減るのか?
体重が一般的にどのように減るのかというと、食事から摂取するエネルギーより消費するエネルギーの方が多いと体重は減ります。つまり、食事の量を減らして摂取するエネルギーを減らすか、運動をしたり基礎代謝を上げて消費エネルギーを増やすという方法で体重は減ります。
また、体重の3分の2は水分であるため、脱水症によって体重減少が起こる場合もあります。
体重減少の原因
続いて、体重減少の原因について見ていきましょう。
栄養不足
偏った食事によって必要な栄養素が補いきれなかったり、嚥下障害によってうまく食べ物を飲み込めないといったことで栄養不足が起こり、体重が減少するというのが一つ考えられます。
病気によるもの
胃・十二指腸潰瘍やがん、糖尿病といった病気やうつ病や摂食障害といった心の病によって、体重減少が起こる場合があります。急激な体重減少を招く病気に関しては後ほど紹介していきます。
薬の副作用によるもの
薬の副作用によって食欲低下を招き、それによって体重が減少するというのも考えられます。
年齢によるもの
加齢によって胃腸の機能が低下すると食べ物を体内で処理しきれなくなり、食欲が低下します。それによって、体重が落ちてしまうことも考えられます。
体重減少が起こった際に振り返ること
なぜ体重減少が起こったのかを知るために、身の回りのことを振り返ってみましょう。
・運動する機会が増えた
・夏バテによって食事があまりとれなかった
・ストレスが増えた
・生活習慣が変わった
・飲んでいる薬が変わった など
このように身の回りを振り返ることで、体重減少がなぜ起こったのかがわかる場合もあるでしょう。
急な体重減少が招くリスク
急に体重が減少すると、少し動いただけで強い疲労を感じてしまう…外に出るのが億劫などの体力低下につながり、免疫機能が低下して感染症にもかかりやすくなってしまいます。高齢者の場合、急激な体重減少によって体力が低下し、筋肉量も減れば転倒のリスクも高まってしまいます。
急激な体重減少で考えられる病気
続いて、急激な体重減少で考えられる病気について見ていきましょう。
がん
がんによって食道や胃、大腸などが圧迫されて、食事がとれなくなる場合があります。また、がんから分泌される物質やがんに対する反応によってエネルギーが過剰に消費されたり、食欲が抑えられます。また、抗がん剤や放射線治療の副作用によっても、食事摂取が難しくなることがあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが出過ぎることによって体調を崩す病気であり、甲状腺ホルモンを過剰に分泌されることでエネルギーが大量に消費されて体重が減少します。
パーキンソン病
パーキンソン病は脳の異常によって、体の動きが障害されるものであり、歩行障害やすくみ足、嚥下障害などがみられます。嚥下障害によって食事量が減ることで体重減少がみられる場合があります。
糖尿病
糖尿病は血糖値が慢性的に高くなってしまう病気です。糖質をエネルギーとして利用できなくなり、その代わりとして脂肪やタンパク質が分解されてエネルギー源とされるために、体重減少がみられます。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍は、主にピロリ菌によって発症する胃や十二指腸の潰瘍です。胃腸機能の低下や胃痛によって食事が思うようにとれなくなって体重が減少します。
まとめ:体重減少の原因や急な体重減少で考えられる病気について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・食事から摂取するエネルギーより消費するエネルギーの方が多いと体重は減る
・体重減少の原因としては、栄養不足・病気によるもの・薬の副作用によるものなどが考えられる
・急激な体重減少は、がんや糖尿病、胃・十二指腸潰瘍などが考えられる
以上の点が重要なポイントでした。今回紹介した病気以外にも体重減少を引き起こす病気はさまざま存在しますので、「体重が落ちる原因が思い当たらないのに、なぜか体重が日に日に落ちている…」という場合などでは早めに受診すると良いでしょう。