甲状腺機能低下症とは?原因・症状・治療などを紹介! medical column
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甲状腺機能低下症とは?原因・症状・治療などを紹介!
「気力が低下して、疲れやすくなった…」
「食欲低下や皮膚の乾燥が気になる…」
長期間にわたってさまざまな体調不良が起こる場合に、甲状腺ホルモンの不足・過剰が影響している場合があります。しかし、甲状腺ホルモンと聞いてピンとこない方は多いのではないでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より甲状腺ホルモンの分泌に関わる、甲状腺機能低下症をテーマにお届けしていきます。
甲状腺とは?
甲状腺は、のどぼとけの下にある左右に羽を広げた蝶のような形をした臓器であり、神経や体温の調節をする甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺ホルモンは全身の代謝を高めるホルモンであり、血液の流れに乗って全身の細胞に働きかけて新陳代謝を活発にするはたらきがあります。甲状腺機能低下症は、その甲状腺ホルモンの分泌が何らかの原因によって低下し、さまざまな症状を引き起こします。
甲状腺機能低下症の症状
<甲状腺機能低下症の症状>
・気力低下
・冷え
・むくみ
・倦怠感
・便秘
・食欲低下
・息切れ
・抑うつ
・記憶力の低下
・皮膚の乾燥
・甲状腺の腫れ
・月経異常
・不妊 など
甲状腺ホルモンはエネルギーの消費を高めたり、皮膚や粘膜などの新陳代謝を高めたり、体温を一定に保つといった役割があるため、その分泌が低下することによって上記のとおり幅広い症状があらわれます。
甲状腺機能低下症の原因
甲状腺機能低下症は、原発性甲状腺機能低下症と中枢性甲状腺機能低下症に大きく分けられます。
原発性甲状腺機能低下症は、甲状腺そのものの働きが低下して起こるタイプのものであり、その原因として橋本病が知られています。橋本病は、自分の臓器や細胞を標的にしてしまう自己免疫疾患が原因となって起こると考えられており、炎症が持続すると甲状腺ホルモンの分泌が低下していきます。
中枢性甲状腺機能低下症は、甲状腺を調節する脳の機能が低下することによって、甲状腺ホルモンの分泌が低下するもので、脳腫瘍・くも膜下出血後・脳外科手術後・ラトケのう胞などの脳の病気などが原因になります。
そのほか生まれつき甲状腺の働きが弱く、甲状腺ホルモンが不足している場合もあり、それを先天性甲状腺機能低下症と呼びます。
甲状腺機能亢進症について
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌が低下するものですが、その逆で甲状腺が活発に活動し、甲状腺ホルモンが多く分泌されてしまうのが甲状腺機能亢進症です。代表的なものがバセドウ病であり、動悸・眼球突出・手の震え・多汗・倦怠感などの症状があらわれます。
甲状腺機能低下症の診断
甲状腺ホルモンの異常が疑われる場合、超音波検査や血液検査がおこなわれます。血液検査では、甲状腺ホルモンの量と甲状腺に対する抗体の量を調べます。甲状腺ホルモンの産生は甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調節されるのですが、このTSHが低いと甲状腺機能亢進症、TSHが高いと甲状腺機能低下症です。
超音波検査では、甲状腺に超音波をあてて、甲状腺の大きさや腫瘍の有無、リンパ節の腫れを調べます。
甲状腺機能低下症の治療
甲状腺機能低下症の治療は、甲状腺ホルモンを補充するための薬物療法をおこないます。ただし、甲状腺機能が正常の橋本病や、一過性で症状が軽度のものであれば治療は必要ありません。
まとめ:甲状腺機能低下症とは?原因・症状・治療などを紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・甲状腺はのどぼとけの下にある左右に羽を広げた蝶のような形をした臓器である
・甲状腺ホルモンは全身の代謝を高めるホルモンである
・甲状腺機能低下症は気力低下・冷え・むくみ・倦怠感・便秘などさまざまな症状があらわれる
・甲状腺機能低下症には大きく分けて、原発性甲状腺機能低下症と中枢性甲状腺機能低下症がある
以上の点が重要なポイントでした。