点滴とは?点滴は何のためにおこなわれるものなのか? medical column
- TOP
- 点滴とは?点滴は何のためにおこなわれるものなのか?
点滴とは?点滴は何のためにおこなわれるものなのか?
点滴というと、症状が重篤なときにおこなわれるイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、どのようなタイミングで、何のためにおこなわれるものかをご存じでない方もいるでしょう。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、「点滴は何のためにおこなわれるものなのか」をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
点滴の目的について
まずは、点滴の目的について見ていきましょう。
水・電解質の補給
点滴の1つ目の目的としては、水・電解質(ナトリウムやカリウムなど)の補給によって体液を正常な状態に保つことが挙げられます。身体の水分が嘔吐や下痢、発熱などによって失われ、それによる脱水症状を改善するためにおこなわれます。十分な食事や水分が経口で補充できているのであれば不要です。
栄養の補給
消化管の病気や手術、病気の副作用などにとって長期間食事がとれない場合には、水・電解質だけでなく点滴からたんぱく質や糖質、脂質やミネラル、ビタミンなどの栄養素の補充もおこないます。
薬の投与
血管に針を刺し、直接薬を血液中に注入する場合にも点滴は用いられ、具合が悪く、薬を飲むことができない場合であっても体内に入れることができます。また、直接血管に薬を注入するため、薬はそのまま吸収されて全身に速やかにまわります。
点滴はどのようなタイミングでおこなわれるのか?
水や電解質、栄養の補給、薬の投与としておこなわれる点滴ですが、緊急で水分や栄養の補充が必要である場合や、口から水分や薬などを摂取できない状態でおこなわれます。つまり、症状が重篤である場合や体力や余力がない場合、点滴にて薬剤を使用する必要がある場合、ただちに処置が必要な場合もおこわれます。
具体的には下記のようなケースが挙げられます。
・脱水症状を起こしている場合
・嘔吐を繰り返すなどして経口摂取が困難な場合
・薬剤点滴が必要な疾患を患っている場合
・血管の確保が必要な場合
・手術中やその前後 など
疲労回復点滴というものも存在する
仕事やスポーツ、ストレスなどによる疲労や食欲不振などに対しておこなう疲労回復点滴(ニンニク注射)というものも存在します。ビタミンB1をはじめとしたビタミン類を身体に取り入れることができるものですが、基本的には保険適用外の自由診療となります。
点滴で風邪は治るのか?
風邪を治す点滴はないため、通常の風邪では基本的に点滴は不要です。風邪で点滴をおこなうケースがあるとすれば、お腹の風邪と呼ばれる胃腸炎において、嘔吐や下痢によって身体の水分を多く失っているケースになります。
緩和ケアにおける点滴
緩和ケアの段階に入った患者さんの中には、飲み込む力の低下や嚥下障害によって口から栄養が水分を補給できない場合もあり、その対応として点滴をおこなう場合もあります。ただし、最終末期では必要以上の点滴をすることで、苦痛が増す場合もあります。
まとめ:点滴とは?点滴は何のためにおこなわれるものなのか?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・点滴の目的としては、水・電解質・栄養の補給、薬の投与が挙げられる
・点滴の具体的なタイミングとしては、脱水症状を起こしている場合や嘔吐を繰り返すなどして経口摂取が困難な場合などが挙げられる
・疲労回復点滴というものも存在するが、基本的に保険適用外である
・緩和ケアの段階に入った患者さんの中には点滴が必要なケースがあるが、必要以上の点滴は苦痛が増す場合がある
以上の点が重要なポイントでした。点滴は、「症状が重たい場合におこなう」という漠然としたイメージをお持ちの方は多かったかと思いますが、紹介したようにさまざまなケースがあることがわかりましたね。