高齢者と心不全の関係とは?特徴や予防について medical column
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高齢者と心不全の関係とは?特徴や予防について
高齢者の心不全は現代の医療の重要な課題の一つであり、高齢者人口の増加に伴い、心不全はますます一般的となっています。今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、高齢者と心不全の関係をテーマにその特徴や予防についてお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
心不全とは?
心不全は、心臓が効果的に血液をポンプできなくなる状態を指し、心臓が血液を体全体に送り出す際に問題が生じます。高齢者にとって、心不全は心臓病の主要な原因の一つであり、心臓の機能が年齢とともに低下するため、また、心筋が硬くなる傾向があるため、そのリスクが高まります。
高齢者の心不全リスク要因
前項で、心臓の機能が年齢とともに低下するため、心不全のリスクが高まるとお伝えしましたが、それだけでなく高血圧や糖尿病といった基礎疾患を持つことも、心不全のリスクを高めます。
高齢者の心不全のリスク要因としては、以下のようなものが挙げられます。
・高血圧(血圧が慢性的に高い状態)
・糖尿病(血糖値が慢性的に高い状態)
・脂質異常症(血液中の脂質の値が基準値から外れた状態)
また、運動不足(適切な運動がない場合、心臓の筋力が低下)や肥満、喫煙といった生活習慣も、高齢者が心不全にかかりやすくなる要因となっています。
高齢者の血管
高齢者の血管は、壁が硬く、厚くなり、弾力がなくなって脆くなっています。また、老化した血管はプラーク(コブ)ができて、血液が通りにくくなります。肥満や喫煙、運動不足といった心不全のリスク要因となるものは、血管の老化が進む原因でもあります。
高齢者が心不全を引き起こす病気
心不全は心臓のさまざまな病気によって最終的に至るものですが、そもそも心不全になり得る病気には、以下のようなものが挙げられます。
・心筋梗塞
・狭心症
・不整脈
・大動脈瘤 など
心筋梗塞は心臓の筋肉である心筋が壊死するものであり、胸の痛みや息苦しさがあらわれます。狭心症は、心筋に酸素が不足するために一時的な胸の痛みや圧迫感があらわれるものです。不整脈は、脈のリズムがおかしくなるものであり、大動脈瘤は大動脈が拡大して破裂の恐れがあるものです。
高齢者の心不全の症状
高齢者の心不全の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・動悸
・息切れ
・呼吸困難
・むくみ
動悸や息切れがあっても年のせいだからしょうがない…とそのままにせず、その原因を医療機関で明らかにすることをおすすめします。
日本の心不全患者の特徴として、65歳以上の高齢者が多く(約70%)、複数の合併症を有している場合も多くありますので、ご高齢の方は、気になったタイミングが受診のタイミングです。
高齢者の心不全の予防
高齢者の心不全の予防には、そもそもその原因となり得る心疾患(基礎心疾患)や生活習慣病にならないことが挙げられます。そのためには、塩分を控えたり適度な運動をおこなう、肥満を解消する、禁煙するといったことが大切であり、これらの健康的な生活習慣が動脈硬化を予防して、まわりまわって心不全も予防することにつながります。
まとめ:高齢者と心不全の関係とは?特徴や予防について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・心不全は、心臓が効果的に血液をポンプできなくなる状態を指し、心臓が血液を体全体に送り出す際に問題が生じる
・心臓の機能は年齢とともに低下するため、高齢者は心不全のリスクも高くなる
・高齢者の心不全のリスク要因として、高血圧や糖尿病が挙げられる
・高齢者の心不全を予防するために、塩分を控えたり、適度な運動をおこなうなどの健康的な生活を送ること
以上の点が重要なポイントでした。年齢を重ねると免疫力や抵抗力、身体機能の低下など、少しずつ体に変化が起こってきます。ですので、自分らしい生活を送るためにも、健康を意識した生活を送り、病気を予防しましょう。