春に流行がみられる病気とは? medical column
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春に流行がみられる病気とは?
感染症というと冬のイメージが強く、確かにその寒さによって体調を崩される方は多くいらっしゃいます。しかし、春にも流行がみられる病気がいくつかあり、時には重症化する可能性があるものもあります。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、春に流行がみられる病気をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
春に流行がみられる病気
早速、春に流行がみられる主な病気について見ていきましょう。
はしか(麻疹)
はしか(麻疹)は、麻疹ウイルスによって、高熱・咳・鼻水・くしゃみ・結膜炎・全身の発疹があらわれる感染症です。その感染力は非常に高く、そして幼児から大人まで重症化することがあるため、世界的にもその流行が注目されます。
麻疹ウイルスに感染してから発病するまでは10日~12日ほど、その後熱や鼻水、目の充血といった症状が出て一旦熱は治まりますが、それからまた高熱となり、発疹が出てくるという特徴があります。
はしかの流行時期は、毎年3月~6月、春から初夏にかけて流行がみられます。日本でははしかをなくすために、定期予防接種として2回接種がおこなわれています。
風疹
風疹は大人がかかると発熱や発疹の期間が長くなり、さらに症状が重くなる傾向があります。風疹の症状は、熱・発疹・リンパ節の腫れ・倦怠感が挙げられますが、人によっては感染しても症状が出現しにくい場合もあります。
そのため、自身の感染に気付かずに他の誰かへ感染を拡げてしまうというケースもあるのです。風疹も春から初夏にかけての流行がみられますが、冬にも発生がみられます。予防として、麻疹・風疹混合(MR)ワクチンの接種が実施されています。風疹の疑いがある場合は、皮膚科または内科にて検査診断を受けましょう。
流行性耳下腺炎
春に流行する病気の一つに流行性耳下腺炎があります。流行性耳下腺炎と聞いても、ピンとこないかもしれませんが、誰しもが聞いたことがある、いわゆるおたふく風邪と呼ばれるものです。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによって起こる病気であり、別名でおたふく風邪と言われるように、おたふくのように顔が腫れるという特徴があります。流行性耳下腺炎の耳下腺は、耳の前から下にかけてある唾液を作る器官であり、そこに炎症が起こったものが流行性耳下腺炎というわけです。
流行性耳下腺炎の症状としては、発熱・嚥下痛・耳の下の腫れ・悪寒・倦怠感といったものが挙げられます。流行性耳下腺炎もはしかのように子供がかかりやすい病気とされていますが、大人でもかかってしまう場合があり、さらに大人が発症すると症状は強くあらわれる傾向があります。
流行性耳下腺炎には髄膜炎、脳炎、難聴といった合併症のリスクもあり、特にムンプス難聴と呼ばれるものは、現代の医療では聴力の改善がほとんど期待できないとされています。
春に流行する病気を予防するには?
春に流行する病気を予防するには、ワクチンを打てるものに関しては接種するということが有効です。今回紹介した、はしか、風疹、流行性耳下腺炎にはワクチンがあり、子供の頃に接種するものとなっています。
自身がワクチンを接種したかわからない、抗体があるのか知りたい…という場合には抗体の有無を調べることができる検査もあります。ただし、その検査は健康保険が適用されずに自費となりますが、自治体によっては無料で検査を実施しているところもありますので、確認してみると良いでしょう。
まとめ:春に流行がみられる病気とは?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・春に流行がみられる主な病気には、はしか、風疹、流行性耳下腺炎がある
・はしかや風疹、流行性耳下腺炎の予防にはワクチンが有効
・大人になってからの発症は症状が強くあらわれる傾向がある
以上の点が重要なポイントでした。