脳卒中の後遺症にはどのようなものがある? medical column
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脳卒中の後遺症にはどのようなものがある?
後遺症とは、病気や怪我などの治療のあとに残った機能障害や神経症状のことをいい、例えば脳卒中や心筋梗塞などで起こります。なかでも脳卒中によって起こる後遺症の症状は多岐にわたります。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、脳卒中の後遺症をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
脳卒中とは?
脳卒中は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気のことを指します。
脳卒中の後遺症
脳卒中の後遺症としては以下のようなものが挙げられます。
・上手にしゃべることができない
・相手の話を理解するのが難しい
・うまく言葉が出ない
・身体のバランスが崩れる
・意図せずに身体が動いてしまう
・左右のどちらか身体を動かすことができない
・視力低下、失明
・うまく飲み込むことができない
・運動麻痺
・頻尿
・ボーっとしてしまう など
麻痺、感覚障害、言語障害、嚥下障害、排尿障害、認知障害など、上記は脳卒中の後遺症の一部ですが、損傷部位によって引き起こされる障害は変わってきます。
麻痺
麻痺とは、脳や神経などが損傷することで、運動することや感じることが障害されるものであり、手足の細かい動きや歩行能力の低下、感覚が鈍く(感覚麻痺)なります。また、飲み込むのが難しくなる(嚥下障害)という場合には、喉に麻痺が生じています。
言語障害
相手の言葉を理解できなかったり、うまく喋ることができないというのが言語障害であり、伝えたいこともうまく伝えることができなかったりして、意思の疎通が難しくなってしまいます。また、文字を書くのが難しくなってしまう場合もあります。
認知機能障害
記憶や空間の認識、ものごとを理解する能力といった認知機能が低下するのが認知機能障害であり、血管性認知症とも呼ばれています。
高次脳機能障害
記憶、思考、判断などの高度な脳の機能を失ってしまうものが高次脳機能障害であり、脳卒中や脳炎、交通事故や転倒などによって起こります。高次脳機能障害は、日常生活や社会生活に大きく影響を及ぼします。
損傷部位によって異なる障害
例えば、ボーっとしてしまったり(無動性無言症)下肢の運動麻痺は前大脳動脈の損傷、顔や上肢の運動麻痺、失語症は中大脳動脈の損傷、体のバランスがとりにくくなったり、ふらつき、呂律がまわらないなどは椎骨動脈の損傷、失明や片目が突然見えなくなったりするのは眼動脈の損傷、文字を読むことが困難になったり記憶障害は後大脳動脈の障害といった具合に、損傷部位によって障害は異なります。
できるだけ後遺症を残さないためにも…
これまでご説明したように、脳卒中を発症すると、損傷の部位や大きさによってさまざまな後遺症症状があらわれる場合があります。できるだけ後遺症を残さないためにも早期発見と早期治療が求められます。
また、脳卒中で何らかの後遺症があった場合にも改善が見込めるさまざまなリハビリ方法がありますので、「後遺症があったとしても生き延びることができた…」と、少しずつでも前向きに、まわりの協力を得ながら進んで行くことが、QOLの向上にもつながっていくことでしょう。
まとめ:脳卒中の後遺症にはどのようなものがある?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・脳卒中は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気のこと
・脳卒中の後遺症としては、上手にしゃべることができない、相手の話を理解するのが難しい、身体のバランスが崩れるなどが挙げられる
・脳の損傷部位や大きさによって後遺症の症状は異なる
・できるだけ後遺症を残さないためにも早期発見、早期治療が大切
以上の点が重要なポイントでした。