術後肺炎とは？手術後の過ごし方について 船橋市の内科、つばさ在宅クリニック西船橋

肺炎とは？

肺炎は、肺の組織に炎症が起きる病気で、細菌やウイルスによって引き起こされます。肺炎は通常、呼吸器系の感染症の中で一般的なものの1つであるものの、重篤な場合には死に至ることもある病気です。肺炎の症状は、発熱、咳、痰、呼吸困難、胸部痛、全身倦怠感などが挙げられます。

無気肺とは？

無気肺とは、痰や異物などで気管支または肺が閉塞・狭窄して、肺の一部または全体が空気を含まずに、肺が押しつぶされたような状態になることです。

無気肺の原因とは？

無気肺の主な原因は手術中に長い時間同じ体位でいることで、痰が十分に喀出できず、気管支内に痰がたまって閉塞・狭窄をきたすことが原因のひとつです。そして、手術後3日以内に発症することが多いとされています。

術後肺炎とは？

術後肺炎は、文字通り手術後に発生する肺炎を指します。これは、術後の呼吸器合併症の一つであり、患者の回復を遅らせるだけでなく、重篤な場合には生命に関わる可能性もあります。

術後肺炎の原因

痰が肺にたまってしまうことで、既にお伝えした無気肺のほか肺炎を起こすことがあります。
術後肺炎の原因は以下が挙げられます
・無気肺同様に手術で麻酔をかけることによって起きる呼吸抑制で痰が喀出できない
・長時間同じ体位でいることで痰や分泌物が気管や気管支内にとどまってしまう
・手術後は免疫も一時的に低下する
・喫煙歴が長いと肺機能が十分ではないため痰の喀出する力が弱まっている
喫煙歴が長ければ、呼吸抑制からの回復に時間がかかり、痰や分泌物がたまる時間が長くなるためそのリスクは高まります。また、無気肺の状態が続くと肺炎につながってしまうのですが、それは気管や気管支内で細菌が増殖してしまうためであり、手術後1週間前後で起こることが多いとされています。

術後肺炎を予防するには？手術後の過ごし方は？

続いて、術後肺炎を予防する方法、手術後の過ごし方について見ていきましょう。

手術の前後は禁煙すること

タバコに含まれる有害物質は血管を収縮させて血流を悪くし、肺の機能を低下させるため、肺炎のリスクを増加させる可能性があります。また、手術前後は特に、喫煙を避けることが重要であり、禁煙することで血流が改善されて酸素の供給が促進されます。

ですので、禁煙は術後肺炎の予防、リスクを下げるためには必須であると言えます。全身麻酔で手術を受ける場合、禁煙ができなければ医療機関の判断で手術が中止または延期となることがあります。

早期離床

術後早い時期から離床することも、術後肺炎の予防につながります。いわゆる、エコノミークラス症候群も長時間寝ていることで起こるものですので、その予防にもつながります。

痰の喀出

主に痰が溜まることが原因で術後肺炎は起こるため、痰が絡む場合には積極的に出すことが大切です。痰が多く出る場合には、ネブライザーといった吸入器も使われます。また、口の中が不潔になることも肺炎の原因になりますので、口内を清潔に保つことも心がける必要があります。

まとめ：術後肺炎とは？手術後の過ごし方について

いかがでしたか？今回の内容としては、
・無気肺は、肺の一部または全体が空気を含まずに、肺が押しつぶされたような状態を指す
・術後肺炎は、文字通り手術後に発生する肺炎を指す
・術後肺炎の原因は、手術で麻酔をかけることによる呼吸抑制や長時間の同一体位などで痰がたまることが挙げられる
・手術後は禁煙、早期離床、痰を積極的に出すことなどが術後肺炎の予防になる
以上の点が重要なポイントでした。手術後の過ごし方がテーマでしたが、術前に栄養を強化したり呼吸訓練をおこなったりすることもあります。その際、医療機関の指示をしっかり聞き入れることが大切です。