糖尿病と下痢の関係について medical column
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糖尿病と下痢の関係について
下痢は多くの人が経験する健康問題ですが、糖尿病との間に関係があることをご存知でしょうか?糖尿病が原因で下痢を引き起こすことがあるという事実は、あまり知られていないかもしれませんが、この関係を理解することは、糖尿病の管理や下痢の予防に役立ちます。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、糖尿病と下痢の関係をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
糖尿病について
糖尿病は、血糖値が高くなる慢性的な病気であり、インスリンの分泌または作用に問題があることが原因です。インスリンは、血糖値を調節するホルモンで、膵臓から分泌されます。
下痢について
下痢は、通常よりも頻繁に、かつ水分を多く含んだ便を排出する状態を指します。症状として、頻繁な便意・水様便・腹痛や痙攣・脱水症状(重度の場合)が挙げられます。
下痢のよくある原因としては、ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)、細菌感染(サルモネラ菌、カンピロバクター菌、大腸菌など)、食中毒がありますが、ストレスによって引き起こされる場合もあります。
糖尿病と下痢の関係について
続いて、糖尿病と下痢の関係について見ていきましょう。
糖尿病性神経障害による下痢
糖尿病の長期的な高血糖は、神経にダメージを与える糖尿病性神経障害を引き起こすことがあります。そして、糖尿病性神経障害によって自律神経系が影響を受けると、胃腸の動きが不規則になり、下痢や便秘を引き起こす原因になります。また、糖尿病性神経障害による下痢や便秘は繰り返したり、症状が重たくなったりするという特徴があります。
糖尿病治療薬による下痢
一部の糖尿病治療薬は副作用として下痢を引き起こすことがあります。例えば、メトホルミンは糖尿病の治療に広く使われていますが、消化管への影響として下痢や腹部膨満を引き起こすことがあります。他の薬物、例えば一部のインクレチン関連薬も下痢を引き起こすことがあります。
感染症による下痢
下痢についての項目でお伝えしたとおり、感染症は下痢のよくある原因の一つです。糖尿病患者さんは免疫力が低下していることが多く、感染症にかかりやすいため、胃腸の感染症(食中毒やウイルス性胃腸炎など)を招いて下痢を引き起こすことがあります。
ストレスによる下痢
ストレスも下痢や便秘を引き起こすということをお伝えしましたが、糖尿病患者さんはストレスを受ける機会も多く、心理的な要因が腸の動きに影響を与えてしまって、それが起こる可能性も考えられます。
糖尿病による下痢の対策について
糖尿病患者の下痢の対策は、その原因に応じて異なりますが、一般的な対策として、まず適切な血糖管理が下痢の予防や緩和に役立ちます。また、下痢を引き起こす可能性のある薬の調整や変更について医師と相談するという選択肢もあります。
そのほか、消化しやすい食事を心がける食事療法も有効です。さらに、感染症を予防するために衛生管理を徹底することも必要です。
まとめ:糖尿病と下痢の関係について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・糖尿病はインスリンの分泌や作用に問題があることで血糖値が高くなる慢性的な病気
・下痢は頻繁な便意や、腹痛、脱水症状を伴うことがある
・長期的な高血糖が神経にダメージを与え、胃腸の動きが不規則になることで下痢や便秘を引き起こすことがある
・一部の糖尿病治療薬は副作用として下痢を引き起こすことがある
以上の点が重要なポイントでした。糖尿病と下痢の関係を理解し、適切な対策を取ることで、健康管理をより効果的に行いましょう。