抗凝固薬とは?抗凝固薬と抗血小板薬の違いも紹介! medical column
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抗凝固薬とは?抗凝固薬と抗血小板薬の違いも紹介!
血液の健康を保つために、私たちの体には様々なメカニズムが働いています。その一つが血液の凝固反応です。この反応は、怪我や手術などで出血が起こった際に止血するために不可欠なものです。しかし、体内で異常な血栓が形成されると血流を妨げ、深刻な健康問題を引き起こすことがあり、そこで用いられるのが抗血栓薬です。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、抗凝固薬をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
抗凝固薬とは?
抗凝固薬とは、血液の凝固を防ぐ薬のことを指します。血液の凝固は、出血を止めるために必要な生理的反応はあるものの異常な血栓が形成されると、血管が詰まって深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。抗凝固薬は、こうした異常な血栓の形成を防ぐために使用されます。
抗凝固薬の役割と使用例
抗凝固薬は、静脈血栓塞栓症、心房細動、肺塞栓症などの治療や予防に使われます。また、心臓手術や特定の整形外科手術後の患者にも予防的に投与されることがあります。
例えば、心房細動は心臓の異常なリズムを引き起こし、血液が心房内で滞留することで血栓が形成されやすくなりますが、抗凝固薬を使用することで血栓の形成を防ぐことができます。
主な抗凝固薬の種類
抗凝固薬にはいくつかの種類があります。代表的なものに、ワルファリン、ヘパリン・低分子ヘパリン、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンなどが挙げられます。
ワルファリンは、ビタミンK依存性凝固因子の生成を抑制するもので、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンは、特定の凝固因子を直接阻害し、血栓の形成を防ぎます。
抗血小板薬との違い
抗凝固薬と抗血小板薬の違いですが、抗血小板薬は、血液を固まらせる血小板の機能を抑制することで血栓の形成を防ぐもので、抗凝固薬は血液を固めるさまざまな凝固因子の働きを抑制することで、血栓の形成を防ぐものになります。
抗血小板薬の使用例
抗血小板薬は、動脈硬化性心血管疾患の予防と治療に使用されます。例えば、心筋梗塞や脳梗塞の予防に効果的です。代表的な抗血小板薬には、アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルがあります。
抗凝固薬と抗血小板薬の使い分け
抗凝固薬と抗血小板薬は、異なる状況で使い分けられます。動脈系の血栓は、主に血小板が関与するため、抗血小板薬が効果的です。一方、静脈系の血栓は抗凝固薬が適しています。例えば、心筋梗塞や脳梗塞の予防には抗血小板薬が用いられますが、心房細動や深部静脈血栓症の予防には抗凝固薬が使用されます。
抗凝固薬の注意点
抗凝固薬の注意点としては、血の凝固を阻害する作用があるため、出血しやすい状態になる(鼻血が止まらない等)点が挙げられます。また、ワルファリンはビタミンKの働きを妨げることで血液を固まりにくくするため、ビタミンKを多く含まれる食べ物を多量に摂取することで、ワルファリンの持つ作用を弱めてしまいます。
抗血小板薬の注意点
抗血小板薬も抗凝固薬と同様に、出血すると血が止まりにくくなるため、転倒などの怪我でも簡単にアザができてしまったり、重症化する可能性があります。もし、内出血などで異常を感じた場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。
まとめ:抗凝固薬とは?抗凝固薬と抗血小板薬の違いも紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・抗凝固薬は血液の凝固を防ぎ、異常な血栓の形成を防ぐ薬である
・抗凝固薬の使用例として、静脈血栓塞栓症、心房細動、肺塞栓症の治療や予防が挙げられる
・主な抗凝固薬の種類には、ワルファリン、ヘパリン・低分子ヘパリン、ダビガトランなどがある
・抗凝固薬は血液凝固因子の働きを抑制し、抗血小板薬は血小板の機能を抑制する
以上の点が重要なポイントでした。抗凝固薬と抗血小板薬は、異なる状況で使い分けられていますが、どちらも出血リスクが高まりますので、その点は事前に理解しておきましょう。