糖尿病による手足のしびれの特徴について 船橋市の内科、つばさ在宅クリニック西船橋

糖尿病性神経障害とは？特徴について

糖尿病性神経障害は、特に長期間にわたって血糖値がコントロールされていない場合に発症しやすくなる合併症です。この障害は、末梢神経に影響を与え、手足の感覚や運動機能に異常をもたらします。その結果、しびれや痛み、感覚の喪失などの症状が現れます。

手足のしびれの具体的な症状・特徴

糖尿病による手足のしびれは、初期には軽度な症状から始まりますが、進行すると日常生活に支障をきたすほど深刻になることがあります。初期症状としては、足や手の指先に軽いしびれや不快感、といったものが挙げられます。

進行すると、しびれは手足全体に広がり、感覚が鈍くなる、触覚が低下する、さらには痛みを伴うこともあります。

糖尿病による手足のしびれの原因

糖尿病による手足のしびれの主な原因は、高血糖状態が長期間続くことにより、血液中の余分な糖分によってソルビトールと呼ばれる物質が末梢神経の細胞内に溜まることが原因と考えられています。

また、動脈硬化の進行によって血流が悪化し、必要な酸素や栄養素が届きにくくなることも原因の一つとされています。

診断について

糖尿病による手足のしびれの診断は、医師の問診のもと、しびれの範囲、痛みの有無、感覚の喪失の程度などを詳細に評価します。さらに、神経伝導速度検査や筋電図検査などの検査を行うことで、神経の機能状態を詳しく調べることができます。これらをもとに、糖尿病性神経障害の進行度や重症度を評価し、適切な治療方針を決定します。

治療・予防方法

糖尿病による手足のしびれの治療には、まず血糖値の適切な管理が不可欠です。血糖値をコントロールすることで、神経の損傷を遅らせ、症状の進行を抑えることができます。インスリン療法や経口血糖降下薬を用いた薬物療法に加え、食事療法や運動療法も重要な役割を果たします。

そして、痛みやしびれの症状を和らげるためには、神経障害性疼痛治療薬や一部の抗うつ薬、抗てんかん薬が処方されることがあります。これらの薬は、神経の過敏な反応を抑える効果があります。

そのほか、足のケアも忘れてはならないポイントです。糖尿病患者は足の感覚が鈍くなり、傷や感染に気づきにくいため、毎日の足のチェックと適切なケアが重要です。足の清潔を保ち、保湿を行い、靴は適切なサイズで圧迫や摩擦を避けることが推奨されます。

日常生活への影響と対策

糖尿病による手足のしびれは、患者の日常生活に大きな影響を与えることがあります。例えば、歩行が困難になったり、手先の感覚が低下することで物を持ちにくくなるなどの問題が生じます。

これらの問題に対処するためには、補助具やリハビリテーションが役立ちます。歩行補助具や特別な整形靴の利用、専門の理学療法士や作業療法士による日常生活動作の改善などがその例です。

さらに、心理的なサポートも重要です。糖尿病性神経障害に伴うしびれや痛みは、患者にとって大きなストレスとなることがありますので、心理カウンセリングやサポートグループの利用も勧められます。

まとめ：糖尿病による手足のしびれの特徴について

いかがでしたか？今回の内容としては、
・糖尿病性神経障害は、特に長期間にわたって血糖値がコントロールされていない場合に発症しやすくなる合併症である
・糖尿病による手足のしびれは初期には軽度な症状から始まるが、進行すると日常生活に支障をきたす場合がある
・ソルビトールと呼ばれる物質が末梢神経の細胞内に溜まることが原因と考えられている
・糖尿病による手足のしびれの治療には、まず血糖値の適切な管理が不可欠
以上の点が重要なポイントでした。患者自身が積極的に情報を収集し、医療チームと協力して治療に取り組むことが、より良い生活を送るための鍵となります。糖尿病による手足のしびれに悩む患者にとって、適切な治療と支援が提供されることを願っています。