糖尿病の人はなぜ風邪などの感染症にかかりやすいのか? medical column
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糖尿病の人はなぜ風邪などの感染症にかかりやすいのか?
糖尿病患者さんは風邪などの感染症にかかりやすいと言われていますが、それはなぜなのでしょうか?そして、糖尿病患者さんは病気やケガに特に注意しなければなりません。
今回は船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、糖尿病の人はなぜ風邪などの感染症にかかりやすいのか?というテーマでお届けしていきます。
糖尿病について
糖尿病は、インスリン作用不足により高血糖状態が続いてしまう病気で、1型糖尿病と2型糖尿病が存在します。1型糖尿病は、膵臓にあるインスリンを作るβ細胞が破壊されることが主因となって起こり、2型糖尿病は、インスリン抵抗性や分泌低下、肥満運動不足や肥満が関係して起こるものです。
糖尿病の治療では、生活習慣を見直しながら薬物療法、食事療法、運動療法などを進めていきます。高血糖状態が続くと腎臓や眼、神経などあらゆるところに病気を起こし、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害といった合併症が生じる恐れがあるため、血糖コントロールが大切です。
糖尿病患者さんはなぜ風邪などの感染症にかかりやすいのか?
続いて糖尿病患者さんが、風邪などの感染症にかかりやすく悪化しやすい原因について見ていきましょう。
血流が悪くなる
高血糖状態が続くと体の細い血管が障害されて血流が悪くなり(細小血管障害)、細胞の働きが低下したり、細菌が感染した部分に血液が行きわたりにくくなります。(白血球も行きわたらない)そのため風邪などの感染症にかかりやすくなってしまいます。
好中球の機能低下
人の体内では、好中球と呼ばれる免疫細胞が細菌やウイルスをやっつけている(貪食)わけですが、高血糖、血糖値の乱高下によりその機能が低下してしまいます
免疫反応の低下
一度感染した細菌に対して人は免疫を持ちますが、糖尿病の高血糖では免疫に関係する細胞の働きが低下してしまいます。
免疫反応(免疫応答)…細菌やウイルスから身を守るために、生体内で起こる反応。
糖尿病患者さんは感染症やケガに注意
糖尿病患者さんは神経障害が進行すると痛みや違和感を感じにくくなりますし、血糖コントロールができていないと、免疫力低下により風邪であっても深刻化することがありますので、感染症やケガには注意が必要です。規則正しい生活を送り、手洗いうがいなどの感染予防対策を徹底しましょう。また、感染症にかかった場合には早期治療を行い、水分をこまめに補給しながら安静にしましょう。
糖尿病患者さんの血糖コントロール
食事により糖が体に取り込まれますので、日々の食事は大切です。タンパク質・脂質・炭水化物(ブドウ糖となる)など、バランスよく口にしましょう。また、ゆっくりよく噛んで朝昼晩と規則正しい時間に食事を取りましょう。夜遅くや寝る前の食事にならないよう注意してください。
運動をすることで脂肪が減ったり筋肉が増えたりするとインスリンの効果が高まるため、血糖値は下がりやすくなります。運動習慣のない方は、ウォーキングやジョギングから始められることをおすすめします。ただし、合併症をお持ちであったり血糖コントロールが不十分な方は運動を控えた方がよい時がありますので、運動をはじめる前には医師に運動について相談するようにしてください。
まとめ:糖尿病の人はなぜ風邪などの感染症にかかりやすいのか?|つばさ在宅クリニック西船橋(船橋市の内科外来と訪問診療)
いかがでしたか?今回の内容としては、
・糖尿病はインスリン作用不足により高血糖状態が続いてしまう病気である
・糖尿病の治療では薬物療法、食事療法、運動療法などを行う
・糖尿病患者さんは免疫反応の低下や好中球の機能低下により風邪などの感染症にかかりやすい
以上の点が大切なポイントでした。糖尿病患者さんは感染症にかかりやすいため、血糖コントロールをしっかり行いながら、感染症予防を徹底しましょう。船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)には糖尿病内科がありますので、糖尿病にお悩みの方や疑いのある方は、お気軽に受診していただければと思います。
アレルギー科/呼吸器科/循環器内科/糖尿病内科/脳神経内科となっております。
住所:千葉県船橋市西船4-11-8 三星西船ビルB棟